のれんの縦の長さにもいろいろと決まりがありそう。
どうしたらいいか迷ってしまいますよね。
古来から使われているのれんですから、確かに基本の型のようなものはありますが、、、

一般的な長さは?

ここでは伝統的に使われている呼び名と縦のサイズ、主な使われ方をご紹介します。

標準的なのれん…約 120cm。
ただし、あくまで基準となる長さが約 120cm というだけで、迷ったらこの長さにすればいいというものではありませんので、ご注意ください。


半のれん…上記の標準的な長さ約 120cn の半分の約 60cm。
ラーメン屋さんや居酒屋さんなどで、店内の賑わいや陳列商品を外からも見えるようにしたいお店に多い長さです。


長のれん…約 160cm。
店内の様子がほとんど見えないため目隠し効果、また日よけの効果も期待されます。一見さんお断りや閉鎖的な雰囲気を出したいとき、日焼けしたくないものを扱うお店に使うとよい長さです。


水引のれん…約 40 ㎝。
和菓子屋さんや和食店の間口いっぱいにかかった短いのれんで、主に装飾用として使用されることが多く、閉店後も掛けっぱなしにされています。


日よけのれん…自由
切れ目を入れず 1 枚の大きな布を屋根から地面へと固定したもの。日よけだけでなく、その存在感から看板代わりに使われるお店が増えてきました。

のれんの長さが伝えるもの

水引のれん、日よけのれんは別として、店先に架けられたのれんの長さによって人が感じる印象が変わる点にも少し触れておきます。

短いのれんは、奥の様子が見えるので初めて訪れる人も安心して入れますし、誰にでも開かれている気安さ、敷居の低さを感じさせます。逆に長いのれんは、くぐるまで中の様子が分からないので、人によっては入るのを躊躇するかもしれません。しかし見えないがゆえにミステリアス感や特別感を演出することもできます。

業種を表すのれんから、個々のお店を表すのれんへ

その業界特有ののれんの形状に倣うことは大切です。なぜなら○○のお店ならこうあるべきといった期待感が、すでにお客様の中にもあるからです。長いのれんが掛けてある店先を見てラーメン屋さんだと思う人があまりいないように。

しかし、今は一見して何のお店か分からない店構えも増えてきています。SNS でお店の情報がすぐ手に入るので、何となくではなくピンポイントでそのお店を目指して来る人が多くなったからでしょう。ならば、のれんは、お客様の期待を裏切らない(いい意味で裏切るのは OK です)、むしろのれんをくぐった後に訪れる感動の導入部と考えるほうがいいのかもしれません。

見た人にどんなお店と思われたいのか、のれんから先に起こることがお客様の期待を裏切らないものであるか。ここを起点に考えれば、のれんはもっと自由でいいのかもしれません。