のれんの誕生は古く、平安時代末期に作られたとされる絵巻物や絵画には、すでに庶民の家の軒先にのれんが掲げられた様子が描かれているそうです。また、「源氏物語絵巻」には、壁代、帳、几帳など、布による室内調度品が数多く登場していることから、これが庶民ののれんへと変化していったのかもしれません。

参考:高井潔,“序にかえて”,暖簾,淡交社1997,6-7