染色技術がすすんだ現代では、のれんの色やデザインも様々ですが、昔は藍染めが主流でした。藍染めで染められた紺・藍色を呉服屋さんなどの手堅い商家が好んで使用したそうです。また、お菓子屋、薬屋は白(砂糖の白が由来)、煙草屋は茶色、柿色は水商売に多く使われました。そんなお約束事のなか、紫は高貴な色「禁色」とされ、のれんには用いられなかったそうです。

参考:高井潔,“暖簾の色”,日本の暖簾-その美とデザイン-,グラフィックス社2009,12